[オクリビのブーツの底がブレーキをかけるように地面を引っ掻いていく。しばらく地面を滑って、ようやく止まったところで崩れた体勢を立て直すオクリビは、呻きもしなければ、腹から何も出ない──いや、腹から何も出ないのは、全然問題ではないのだが。苦痛にすら歪まないのは、彼女が機械仕掛けのお嬢さんだからだろうけれど。一瞬、そういう機能搭載してねぇのかよ、とつまらなく思った。どう見たって横目で見た自分の掌からは血が多量に流れ出ているし、それどころではないのに。>>123]