[腹をすかせた子供にパンを与えたのはそんなに悪い事か。
それが反逆者の芽であると知らぬことが罪だったのか。
問いかければ己自身も反逆者として処刑されることは
自明の理であった。
特に、自らの手で反逆者を摘むようになった王にとっては
格好の的となったことだろうさ。
王たる者として、ぶれぬその姿勢はある意味では立派だし
故に心酔して仕える者も多い。幼馴染姉弟の姉の方。
イクリール姉。と昔は呼んでいたが、
流石に妙齢の女性をそう呼ぶのはなということで、現在は呼び方は違うが。
等を、時折の卸売りの際に城の入り口或いは城下あたりで見かければ思うわけではあるのだ。
でも。]