[口ぶりからして、中身はもう「小娘」と呼べる歳ではないのだろう。
じゃあ一体幾つなの?なんて、フットマン自身にも言えるようなことに、少なくとも彼は興味がなかった。
そもそも、そんなものは忘れているかもしれない。だって、フットマンは忘れている。歳をとると物覚えが悪くなっていけない。
フットマンは、「斬ることができる身体なのですね」「一つ勉強になりました」と口にするオクリビ>>142に、一瞬「嫌味?」とでも言いたげな表情を浮かべたけれど、すぐに引っ込めた。
彼女がそんなクチではないことぐらい、この短時間と事前情報でよくよくわかった。
それから、数刻前のフットマンの言葉を取り出してきたオクリビ>>14に、フットマンは不思議そうに小首を傾げた。]