……一時停戦ね。
置いていくけど、死なないでよ。
[冷静さを取り戻す。ああ、どうしてくれよう。
私の晴れ舞台を穢す愚か者に、どれほどの鉄槌を下せばいいだろうか。
……ではなく。そもそも私の目的は暴徒の無力化、つまりは「わからせる」ことだったわけで。>>1:297もあながち間違いではなかったのだ。
ついでに公爵殺しの主犯でも無いとなれば、やはり葬儀屋……ヌルの言っていた例の機械が犯人で、それを振るったのはBloodSunか、外のものだろう。
今のアリシアに件の殺戮の顛末を知るすべはなく、またその機械に仮の名を付けたことも知らなければ、そう考えるのが自然だった。
であれば、この場で戦う目的もまた、なかば失われたようなものであった。
さて、フットマンに背後を撃たれなければよいが。
私の大切な時間を奪った邪魔者に制裁を与えるべく、走る──*]