ある日の裏通り・オクリビと
[さて、今日はどこに話しに行くのだったか。
鬱蒼とした街並みを歩く。場所によっては平然と腐肉が転がり、血の匂いが体に染み付くようで。
葬儀屋の彼、いや聞いた話によれば彼女だったか。彼女の顔を思い浮かべ、しかしどちらにしろ一人で片付けられる量ではないなと溜息をつく。
全員こちらに呼べばいいのよ、来ない奴は潰せばいい、なんて言っても許してくれないのはページボーイがずっとアジトに篭っているからよ。
いいや、いや、わかっているわ。言いたいことはわかるのよ、でも愚痴ぐらい言わせてよね。
さて、これからある女性と出会うアリシアだが──
率直に言えば、少女は上機嫌だった。
なぜなら今日は未だそういった道を通ることが無かったからだ。自組織の組員の遺体をあつく弔う仲間思いな人達であれば、お話さえスムーズに進む未来が見え、何ならウッキウキである。
向かいから現れたのはフードを目深に被った人物
>>212。
見覚えのあるその姿が、この私を見た上で現れたことに少し警戒しつつ。]
いいのよ、私は別におじい様を愛していた訳ではないし。
でも組織の人間としては、受け取っておくわ。
[挨拶を終えてフードを下ろす女性は、たしかに以前会ったヘンテコなアイドルだった。]