[再び一歩分に戻った距離>>188のもと、オクリビは再び陰りのない笑みの形を作る。
「秘密」の語に対し深まった笑みに、「お楽しみに」とばかりにくすりと笑い声をあげながら]
ありがとうございます、おじさま――フィジシャン。
どうか貴方の旅路にも、幸ありますように。
ええ、その旅の次の到着地が、
私と刃を交える戦場であったとしても。
[「夜の女王のアリア」に与することを選ばなかった女は、次の邂逅の可能性を思う。
これは今のオクリビが仕える「女王」――ズィーの意向や、その他の組織の動きにも依る話なので、確かな予測はできない。
それでもこの国の裏側に“嵐”来る時、己の組織以外の全ての者と殺し合うくらいの覚悟は必要だった。
本気で殺し合う心算が、結局誰も死にはしなかった……という顛末もままあることではあったが。]