[それとは別に。親2人を流行病で亡くし、男手1つで育ててくれていた兄を知らぬことによる罪により、殺された。心砕く者が躯になる様を赤い血だまりが足を浸すのを。その体が、ゴミ同然に蹴り飛ばされ、下水に流されていくのを。鮮血が赤黒く、錆色に変わっていく様を。ずっとずっとずっと見ていた無力な自分。 その時に抱いた、この国の王への感情は。黒の髪の中にある色をところどころ喪った白髪の房たちがそれを忘れえぬ記憶として。忘れじとして其処にある*]