[写真家の話をうんうんと頷き聞きつつ、間違えて連れてこられたのはどんな人だったのかと、少年は更なる話を求めた。
ただ間違えられたくらいだから自分と似てるのかなと思っただけで、深いことは何も考えておらず、どんな答えもそのままに受け止めるだけだろう。
その後逆に問いかけられたのなら楽しげな笑みが戻り、長めのチェーン─スタッフが首輪付きの子供も掛けられるように気を使って大人用を渡した─の秘宝石のネックレスを指し示して語る>>189
二人の男の子との出会い、ジャングルでの冒険。秘宝の呪いで真っ白になったこと。でもクリアよりも二人と友達になれたほうが嬉しかった話。
レンズ越しの輝く瞳は大人の相手が子供の話をきちんと聞いてくれている証のようで、“そうです!”と元気に返した少年は、マストがよく分からないことを言っているとは思わなかった。]