「愛して“た”。 それとも本当は、まだ愛して“る”の?」 ………、それ、は。[ここでヘロンが答えを紡げないのは、本当にどちらとも掴みかねていたから。 あの手の感触さえなければ>>218――あの男へ地味な嫌味を連ねてしまうのは置いといて――“愛してた”と言い切れたかもしれないのに!]「ええ、ええ、どちらでもいいわ。 あたしはこんなことで、あなたをひとりにしたくない。 ここでたくさん友達を作っていたらしいことは スタッフさんから聞いていたけれど――」