マストさんと離れる時に、影を見た気がして
でも追いつけなくて、それっきりです
僕に会いたくないからなのかも……
[しかし自然に移り変わった話題に、少年は固まった。
それから表情は沈み、俯きながら答えると
胸の前で自分の手と手を重ね、ぎゅっと握る。]
だって、皆は死んじゃったのに、
僕は生きてて、お兄ちゃんに優しくされて
遊園地のチケットも貰って楽しく過ごして……
それって凄く不公平だから
[見つかっていない理由は行動よりも心情。
マストが最初に一緒に遊園地の中へ手を引いてくれたから、マウスとラピスが仲良くしてくれて三人で過ごしてくれたから、だから夢中になって少年は過ごしていたけれど。
あれ以降探していなかったのには、その不安もまた理由だった。*]