[そうして応対を続けていれば、「あの、……いえ、失礼」と言葉を濁すオクリビちゃん。
何か言いにくいことでもあったのか、となれば以前の面識くらいしか思い当たる節のないアリシアだ。
この私を知っている今となっては、変装を隠す意味があまり無いものであり、明かしても問題は無いのだが。]
──ねえ、夢は叶いそう?
[そう問いかける。
またしてもつい聞いてしまった、そんな問いだったので、何をと問われれば出会った時の素性を明かすだろうか。
以前は「冗談」として言葉を濁した彼女だが、今となっては普通の名前を名乗りすらしない(「だびそうそうおくりびちゃん」のどの部分が正確な名前かすら考えないとわからないのだ)。
確実に何かが変化している彼女と、飾らない話を交わしてみたいと思った。
何しろ相手の女王様は、私をアイドルに誘おうとしていた。私が話を続けようとしたとて断りにくかろう、と楽し気に。*]