[6月のイベントは、いろんな地域によって様々だ。
夏至を祝うところとあれば盛大に火祭りをあげるというとんでもないイベントもある。また、ある地域では結婚式を挙げると幸せになれるという伝承も聴く。
そんな中で、俺様の目に入ったのは、
きれいな雫がポタポタと落ちて、淡い色のキャンディを作り出す装置だった。
どうやらこれは『梅雨』をイメージしたマシンらしく、装置の高いところからキャンディの雫がこぼれ落ち、下に到着する頃には、ころりと澄んだ水色の飴玉に変わるという物珍しいものだった
俺様が知ってる『雨』は、いつだって酸っぱかったし危なかった。酸性雨が、どれだけの地域を破滅に追いやってきたか、俺様はよく知ってる。
だけど、この装置の説明によれば…遥か昔の雨は、文字通り、大地を潤す恵みの雨だったという]