[この町を訪れた時にはなかった大きな荷物を 背に抱え、その腕には小さな狼娘がすやすやと 寝息をたてて眠っている。 一息ついて呼吸を整えたら改めて向き合った。] 良かった、まだ出発してなくて。 一番にシフに紹介したくてさ。 チノっていうんだ。 疲れたみたいで寝ちゃったけど。[頬を撫でれば、大きな耳がピクリと動いた。 その顔にはどこか、父親らしさが滲んでいた かもしれない。]