夢、あの子と私
[それは、いつかの世界、
私の切望が紡いだ泡沫の夢。
そよぐ草花が心地よく頬を撫でる感覚に気付けば、ゆっくりと身体を起こす。
雲一つない青空を、地平の彼方まで続く緑が彩るだけの、殺風景な世界。
でも、二人にとってはそれだけあれば十分な世界。
そしてそれはもう何度目かも分からない、
とても幸せで
とても残酷な
記憶の世界。
だけど、その日の夢はまるで明晰夢のように。
ただ記憶をなぞり、失った過去に縋るものではなく。
私が願い、至った
あの子との対話の場所。
>>118 とても希薄になっていたその存在に、ようやく気付く事が出来た。]