[それからどんな話をしたのだろう。二人でピタを持ち寄り 丁度良い場所へと赴いて 席に座る。>>213手元のピタを見ながら、どのように食べようかだなんて 思案していれば隣からの視線に思わず横を向いた。
其処には、何時もよりも近くに彼の端正な顔があって 綺麗な真紅の瞳が此方を見ている。ぴくりと、肩が跳ねた。 ]
……何か、顔についていましたか。
[なんて笑みを作って、問うてみる。この動揺が、胸の高鳴りがどうか彼に届きませんようにと願いながら、も。
続く彼の言葉の、そのしどろもどろな様に、———嗚呼 もしかしたら一緒だったかもなんて。
彼は首飾りを、私は……、その。と、何に動揺していたかは違っていたかもしれないけども、それでも。
作り笑いを浮かべる少しばかり緊張していた表情筋が、緩んでいくのが分かった。 ]