[横を見やれば、あの子は隣で眠っていた。
所々がひび割れたガラス細工のようになり果てた身体。亀裂の入ったその四肢はもう治る事はなく朽ち果てていくのみ。
起き上がった私は、微睡むような身体の重さを感じながら彼女の手を取り、重ねる。
その事に気付いたあの子は、身じろぎをしながら目を覚ます。
私に気付けば、身体を起こしてにこりと微笑みを浮かべ、ガラス片を零しながら言葉を紡ぐ。
それは無音の言霊。彼女の魂の言葉。]
"あなたの中に残っていたもの、見つけられた?"
……ええ。フィアは初めから言ってくれていたのよ。
それをパパが、みんなが教えてくれたのよ。
[それは、私が"そう願われて生まれた"からこそ気付けなかった事。>>0:233
あの子が、ずっとずっと求めていて、私に注ぎ込んでくれていたもの。
義父が直接言葉にして送ってくれた、その言葉。>>2:50
私の中に確かに残っている温かな気持ち。>>2:81]
フィア、愛しているのよ。
"私もよ、ラビィ。"