[少しの間立ち止まり、思案してから――]
頼もしいですね、女王陛下!
[キャッチが響いてきた方角に向け、己の声の出力を少しだけ上げて、満面の笑みを作って叫ぶ。
声量の所為で合成音のノイズがやや目立ってしまったが、使用人的なアンドロイドによる宣伝支援だと思われる分には特に問題はなかった。
そして所属組織を示すタグ無き者からのこの掛け声はステルスマーケティングに該当していたかもしれないが、この渾沌の国の法で規制されている行為ではない。筈だ。
そんなこの女が、「女王」の「国民第一号」となった経緯は――*]