[互いに手を握り、額を合わせる。
それだけで、お互いの伝えたい言葉が染み渡る。
感情が溶け込み、混ざり合っていく。]
"いつも見守っているからね"
分かってるのよ、生真面目なんだから。
[繋いだあの子の手が、先から崩れて光の粒子となって浮かんでいく。]
"いつも一緒だから、ね"
ええ、たくさん、連れて行ってあげるのよ。
[合わせた額から、あの子の熱が私に移っていくのを感じる。]
"ラビィのゆく先が、明るい事を祈ってる。"
フィアが教えてくれた事、絶対忘れないのよ。
[崩れ落ちるその最期の時まで、私あの子の身体を強く抱きしめ続けた。
やがて、その世界には私だけが一人、空を見上げる。もう、ここに来ることも、思い出す事もないだろう。
託された想いはこの胸の中にしまったから。]