―回想:アロールと― 「……それは、ヴァルハラ兵だぞ。」 知っている。 「敵を、お前は助けるのか?」 私の敵は、私の邪魔をする者だけだ。[振り向くことなく答える。 ヴァルハラ兵が痛みに呻く。意識があるなら大丈夫だろう。 続く男の質問にほんの一瞬、動きを止める。] 殺すのが兵士の仕事ならば、治すのが私の仕事。私は医者としての責務を果たしているだけだ。[生きているのなら誰であろうとも助けると、そう決めた。 理不尽に奪われるのなら、足掻いてやる。 そう、これが私の戦争なのだ。]