[けれどそれも、何も知らない人間たちからすれば、恐ろしいことだったのかもしれません。共存出来ていた思っていた過去達は、火を放たれた屋敷と共に消えていきます。]『シーシャ、お願いしますね。』[お母様に頷く下男が、私の手を引きます。書棚の裏に作られた隠し通路が開かれ、一緒にという私を見送るお母様は後光に霞んでいました。]