[打算というものは人の社会に付き物だとアリシアは理解している。
ページボーイと出会った日以来、妙に女の子と知り合う機会が増えた。しかし今でも交流が続いており、また心から交流を望むのは彼女だけだ。
孤児ではなかったかと聞かれれば、その孤児の私をページボーイが女将と交渉して引き取られたことになっているので、頻繁に会いに来る口実は整っていた 。]
わたしの分もいただいちゃっていいの?
それは断ったら悪いね!
[手早く配膳を済ませると向かいの椅子に座る。
情報源だなんて発想すら持たない程度には、アリシアは純粋にページボーイとの時間を楽しみにしていた。
友人兼妹分、 兼お姫様──として、そう接したいという願いもあっただろうか。
時折仕事を置いて談笑に移る少女を、誰も見咎めることはなかった。*]