少し前、アンダーテ特別罪人収監所の洗礼
[その男は、一言で言えば王だった。
張り付けた笑顔をそのままに全てが思い通りになると信じて疑わない、傲慢で不遜。しかしそれら全てが許される男。
慈しむような優しい表情
>>198は、私の背筋を冷たく、鋭く撫でた。
それが、警鐘であると気付いた時には、既に拳は振り抜かれていた。
>>200]
ぅあッ……。
[拘束具の隙間を的確に縫って放たれた拳は、私のこめかみを強かに打ち、大きく視界が横に振れる。
頭が地面に叩きつけられる寸前に、浮いた足を掴まれれば遠心力で頭が振られ焦点が定まらないままに言葉を叩きこまれる。
>>203 何も、言い返せなかった。むしろ、言い返せなくて良かったのかもしれない。
あの子が両親を殺す事を望んでいた、と言うのは私自身の願望だったから。
心身ともに一瞬でボロボロにされた私は、投げ捨てられた後よろよろと立ち上がり、有難い(?)忠言に力なく頷けば、看守に連れられて行っただろう。
地獄は、たった今、始まったのだと否が応でも知らされる出来事だった*]