[こちらを向く視線に反し、アリシアの視線はフィジシャンの腹部へ向く。]
――本当に、躊躇いのない人だわ。無理に一人で突撃して大けがを負う理由、無かったんじゃないの?
[腹部をさする彼を呆れた目で見ていれば、要件を尋ねられ。]
差し入れついでに様子を見に来ただけよ。
私の世話なんて面倒そうなものを押し付けられた、あなたの様子をね。
[そう言って差し出すのは甘味。
ヌルから聞いていたお店で、少量ながら買い揃えてきたものだ。]
元気そうでよかった。
これはページボーイと私から、暴徒鎮圧の功労者兼、優秀なメカニックへのご褒美ってところ。
もしドクターストップがかかっているなら、これは私達で美味しくいただくけどね!
[そう言って笑いかける。
単刀直入に聞いても良かったのだが、実際に会ってみて気が変わった。少女は労わるように彼を支え、会話の続きを促すだろう。*]