[そんな日々の中で、隣で零されたこと>>77。
これまで自分の冤罪をバレンスにはっきり訴えたことはなかったから、ここで彼女の方から「冤罪」の語が出てきた時には、まるで内心を見透かされたようで(実際はただの世間話のひとつだったのだが)、ハリコは左目を瞬かせていた。]
……あたしを取り調べた刑事が
あなただったなら、良かったのに。
[自分よりも体格の大きいバレンスと肩を並べたまま、小さな声でごちた。近くに看守の姿は見えなかった(巡回の権限と看守縛り上げの噂>>0:172>>0:173を思えば納得できた)から、別に何を聞かれる心配もなかったのだけれど、。
その元警察官で元看守の刑期が(発展しすぎた生体改造を受けていない)人間の寿命を超えているとまでは知らずとも、ごちたところでどうにもならない話だということは判っていた。]