― 廃教会 ―
『誰も何も、単に通りすがりの――』
[一般人だが?
いや、一般人ではないのだが、この場では誰でも無いという意味での一般人と言う言葉を口にしようとし、"跳ばれた">>229]
『――……、 ザ…』
[目にもとまらぬ速さと警戒の色に、身動きもないまま数度瞬く。
何処かの戦場であの光を見たような気がしたが、こんな場所で偶然出会う確率とは。
そんなものを軽く計算したが、その考えは一旦下げさせて頂こう。目の前の出来事を疎かにするほど愚か者ではない。
いつか自分が叫んだ声に聞き覚えがあったのとしても、今は敵対者ではない訳で。]
『そう、だ、
ヴァルハラの者』
[出身を問う言葉に肯定を返した。話が早い。]