ー過去の話:ドクターの戦争についてー
[…ある時のこと。医療班から報告が入った。
従軍していた医者一名が、命令に背き、>>231>>232
怪我人であれば当たりかまわず治療しているという]
『警告します。医療班 ドクター・シードル。
貴女は現在、軍の統率を離れ、重大なる命令違反を犯しています。
ヴァルハラ国兵の救助を行うことは、
即ち我が国への脅威を復活させることに他なりません。
これ以上の叛逆行為は、処罰の対象になります。
これは最後通牒です。
我が軍に必要なのは個人の意志ではありません。
我が国の勝利のことだけを思考しなさい。
それが人類の未来へと繋がるのですから。』
[軍上層部から直接渡された通知は、医師にとってどう感じたろう。
少なくとも、軍はそれ以降、彼女を自由にさせている。それは即ち、仲間とは見做さなくなったということと同義だろう。**]