[ だが、オレの銃弾は頭部を掠めたに留まった。 命を奪うには至らなかったんだ。 オレは自分でも思っている以上に 動揺していたのかもしれない。 いつもの処刑の手順なら、まずは捕らえて、 処刑場へ引きずり出して、それからだ。 二人きりの場所で撃っても意味が無いんだ。 罪人は公開処刑することで、 やっと全ての役割を果たすのだから。 なのにそれを忘れてその場で発砲するぐらいには、 オレは我を忘れていたらしい。 ]