[「女王」が訛りを少し正す様には、「別にいいのよ」の一言が脳裏に浮かんだものの。
――国を統べようとする女王なれば、相応しい言葉遣いがある。
そう思考し直し、彼女の行動を重んじる形で、特に何も言わないことにした。]
貴女のこれから築かれる国に、
私を受け入れてくださり、ありがとうございます。
それでは、これから、よろしくお願い――…
[「女王」の両手が此方に伸びたのを視界に捉え、黒手袋を嵌めたままの右手で、相手の両手を軽く押し止めて]
お待ちください。
[それから己の両手の手袋を外し、ポンチョの脇のポケットに軽く押し込める。]