[答えのない自問自答を心の中で繰り返していれば、やがて牢獄へと辿り着く。
同室の受刑者には目もくれずに、私はベッドへと向かった。
そもそも同室者が居るのかも定かでは無い。
いくら見た目が少女であろうと、精神異常者の殺人鬼との同室は忌避されがちだろう。
どちらにせよ、顔を手酷く腫らしている囚人に声をかけるのは、憚られるだろうと私は見ない振り。
鬱々とした気持ちのまま、思考を断ち切るようにベッドへと倒れ込む。
薄汚れたシーツは、最低な寝具だったけど、今だけは涙を隠す隠れ蓑として都合が良かった。
あの子がいない世界で、私を未だここに結ぶ未練があるとすればそれは。]
……フィアに会いたいのよ……っ
[小さく零れた嗚咽は、誰にも聞こえないようにシーツをきつく被って隠した。
もしかしたら、なんて甘い期待に縋る事しか出来ない自分が恨めしくて、惨めだった。
諦め切れず、捨て切れず。
只々、私は欠落した片割れを追い求めている。**]