……ありがとう。
[顔を上げてちらりとボタンの瞳の色を知ってから。
コンマ数秒で俯くと身をひるがえす。
くっ付いて回るのを止め、ベッドの上に備え付けられたふわふわのお布団を手でぽふぽふと押してみる。
今すぐにでも飛び込みたいくらいだが、さすがに身綺麗にしてからかと我慢して。]
……。
[着替えは用意されていたりするのだろうか。
ベアトリクスの口ぶりではあっておかしくないかと、クローゼットや引き出しを無造作に開けていく。
こっちはタオル。こっちは換えのシーツ。時々呪文のようなものが書かれた何かもある。
もし何を探しているか問われたら、寝るときの着替えとかないかなって思って、と説明することだろう。
それから急に動きを止める。
此処は女性用にと用意された部屋だとしたら。
服だけでなく――中に着るものも必要なわけで。
ピギーに見られては困るものが存在する可能性に行き当たったのが理由だった。*]