[そのぬいぐるみの手触りは本当に本物そのものだ>>201……ということは、通りすがりのレオーネくん推しコメント主の口からは発せられなかった訳だが……。
ともあれヘローは気を取り直してから、カチューシャ選びに勤しむ。
妖精さん、SFロボさん、お化けさん、(巨大かどうかはカチューシャサイズでは解らない)わんこさん、頭部にヒレの付いたマーメイドさん……。
他にも様々なキャラクターモチーフのカチューシャを、鏡の前であれこれと試していく。]
――――――…
[ふと集中が途切れたのは一瞬のこと。
ちょっと大き目のレオーネくんを持ち上げていたその人の出で立ちが、なんとはなしに記憶回路に浮かぶ。
けれどもそれも、まるで今は他愛ないことであるかの如く、すぐに一旦忘れてしまう。]