[もしもカラスが、無意識の最中に彼と重ねようとすれば
私は「貴方」を訊いてみようとした。
その結果がやっぱり同じなら、そうなんだね、と笑い
もし違っていたのなら、新しい知識として受け止めて。
二人紡ぐ家族は、どんなものになったかな。
思い返す、まっしろな箱庭で笑ったせんせいの顔。
最後の授業、引かれた一本線、手を繋ぐ見知らぬ親子。
せんせい。
──私が知ってる、家族の呼び方。
あの幸福と笑顔で満たされた、しあわせの星で
きっと今でも、せんせいはわらってる。
「お勉強をしよう」と子どもの背中を促しては
神さまを信じ続けて、失った家族の痛みを隠してる。]