…それなら、良かったです。 でも。[話して心の重みが軽くなったのはあるのだろう。私が何かしたという事でなくとも。彼女の口調は明るくなった。しかし、私はゴーグルの奥、彼女の瞳に滲んだ僅かな水滴を見逃さなかった。>>164カウンター内にいる私は上体を前のめりにして、手を延ばした。座っている彼女の頭の上にそれは届くだろうか。願わくば、その頭を撫でてあげたい。]