― 六月/体育祭 ―
[夏の気配が迫る頃、大神高校は衣替えを迎えつつあった。
移行期間である今は、夏服と冬服の混じる特殊な時期だ。
そんな日々も今日に限っては様相を変える。
六月上旬、天気は晴天――大神高校体育祭の日である。]
それ暑くない?
[ジャージを羽織った友人に結月は声をかける。
「暑いですけど?」と言わんばかりの視線に少女は肩を竦めた。]
分かるよ。焼けたくないもんね。
[そういう結月は半袖半パンの動きやすいスタイルだ。
もちろん日焼け止めはたっぷり塗ってはいるが、
細くもやや筋肉質な足が太陽に照らされて白く輝いた。]