シフ ハロッド

いつか海の底に沈む日まで

[港に停泊している船（ぼく）を見上げて。
ふわり、と魂を結び直す。

結構気に入っていた靴も、朝にはスタッフにお返しした。
道具がなければ、僕の存在は非常に不安定だ。
離れた魂が再び寄り添って、無意識に安堵する。]

　いいハロウィンだったね。

　　　　　　　　　　　　（ええ、ほんとに。）

　（また来年も来たいね。）

[会話に花が咲いているような声が船に響くが。
結局僕の口から全て発せられている。
それがいつも通りの僕だ。日常に帰ってきた。]