[それからハリコは身を屈め、素顔のアレッキーノ>>188の両目を、己の左目でそれぞれ覗き込んだ。
跪かなくても大丈夫だと告げるように、表情を緩く笑みの形に崩す。
……今は跪いて貰ったほうが少し都合のいい話もあったので、はっきりと言葉の形で告げることはしなかったが。]
冤罪の公表だけじゃなくって、
あなたが“Harriko”のファンになってくれたことにも
あたしは支えられてるわ、ミスター・アレッキーノ。
もちろん、あなたの奥さんと娘さんにもね。
[楽しみにしているという「新作」の話に少しだけ思案を浮かべるも、先に口にするのは]
あたしも、あなたの無事を願ってるわ、ミスター・アレッキーノ。
この先、どうなるか判らなくても――
力になってくれる皆と助け合って、上手くやってくわ。