── 正門前、異邦の子 ──
[どこに向かうかの吟味を進めている折、視界に映るその姿は流石に目を引いた。
>>223 肩下まで下ろされたブラウンヘアに、灯りに反射して淡く光る翠の瞳、そして黒を基調とした入院着のような薄手の服。
そこまでなら記憶の中の"彼女"と同じく、病弱な子なのかと思えたかもしれないけども。
夜闇の中で鈍く光る物々しい首輪は、どう見てもオシャレアクセサリーには見えなかった。
……訳アリだよねえ、どう見ても。
見れば彼女(彼?)は慣れない遊園地に戸惑っている様子が見て取れて、それも背景を想像させられ何とも言えない気持ちになる。
折角遊園地に来たのだから、年相応に笑顔を浮かべていてほしいものだけど、さて、僕はどうするべきか。 ]