回顧・気まぐれ者の悪戯
[フットマンは、最初から相手が『ヘルハウンド』の人間だとわかっていて話しかけたわけではない。上層部ならまだしも、他人の顔や名前を覚えるのかも気まぐれ者のフットマンが下も下の端くれの顔までわかるわけがない。たまたま表で見かけた、「どこかの構成員っぽい奴」に話しかけただけ。
──話している最中に青年の所属先が『ヘルハウンド』だと気が付いたのか?
いいや、フットマンは気が付かなかった。
公爵に呼び出されて、お叱りを受けたときに初めて知った。
ただ、あれが『ヘルハウンド』の構成員だったのなら、何か有益なものでもぶっこ抜いてこさせれば良かった、と思った。尤も、彼らの安全装置
>>0:397の前では、結局なんの成果も得られずに、いたずらに組織を一つ潰しただけになっただろうけれど。
─そうだとも。フットマンは本当に、誰でも良かったのだ。
閃いたことを実行したくて、適当に標的を掴まえただけ。質が悪すぎて、特定されて生き残り
>>0:398に最悪な心象を与えたとしても、文句は言えまい。*]