[年端もいかぬ子供に話しかける成人男性の構図は、悲しいかな昨今の情勢を鑑みると、事案止む無しと言う統計情報が出ている。
ふ、と周りのスタッフの神対応を期待したけど、僕がお一人様なのを気にしている情報が出回っていたのか生暖かい目を向けられた。
違う、そうじゃない。
もしあの子への対応を誤り泣かせようものなら、夢の国は一転修羅の国にワープ進化だよ。
僕は覇王鬼●ちゃんに連れられ地獄でタップダンス。くわばら。
……まあ、実際にそうなるとは思ってはいないけども。
困っている子を見過ごす事と天秤に掛ければ、上述した部分は些末な問題だと断じる。
僕は良い格好したい大人なのだ。
パンフレットを閉じれば、小動物のように見える茶髪の子供の元へと向かい、膝を折り同じ目線から努めて優しく声を掛ける。 ]