星狩りの国-暁の街-

22 【完全RP村】機械人類は、蒼穹の空の夢を見るか


石火硝煙 ヒート・H・フットマン


[食事がよっぽど美味しかったのか、夢中になって食べている少女をフットマンは笑顔で見ていた。はたから見れば、親戚の大人と子供にも見えたかもしれない。
まさか、本当の親戚をフットマンが彼女から取り上げただなんて、フットマン自身も思うまい。

デザートまでしっかり食べる彼女に、甘いものはあまり好きではないのに、なんとなく頼んだ自分のデザートを、結局フットマンは彼女に押し付けた。

甘いものが好きではないから、一口すくって食べたら、フットマンはもういらなかった(普段はどうしているのか?甘いものが好きな奴をこれだけのために呼ぶんだよ)。

あげるためだけに頼んだのか、と言われればフットマンは何も言えなくなっただろう。野暮だから、明言してしまうのは避けるけれど。

それとして、彼女がそれを受け取ったかどうかは──フットマンは覚えていない。歳を取ると物覚えが悪くなってかなわない。
 

(251) 2024/06/23(Sun) 12:38:00

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