25 【R18】異世界の門と恋の彼方
閑話『ベイカー夫妻』
好奇心のかたまりの魔法使いと、
穏やかなヒーラーのノームの夫妻。
彼等視点でのレアアイテムのためなら、
どんなニッチな依頼も引き受ける、
報酬より経費が上回っても気にしない。
そんな彼等は『ベイカー夫妻』と、
名前そのままで呼ばれることが多かった。
もちろんギルドの依頼をこなす時は
その内容によって一時的にパーティーを組んで、基本は二人。長らくそんな感じだったが、
10年ぐらい前から、いつのまにかヒューマンの小僧を護衛として、連れ回すようになった、それがオスヴァルトだ。
もしかしたらピギーとも共に探索したこともあったかもしれないし、「俺達も『夜明けの風』みたいなかっこいいPT名つけようよ!」って主張したこともあったかもしれない。スカリオーネとは夫妻の方が交流があっただろう。
仲睦まじい夫婦、であるが、ばーさんこと妻は、
出産を控えた孫夫婦のところに行っていて不在だ。長らく疎遠になっていたけれど、三つ子を妊娠して大変だ、と救援要請がとんできて、張り切ってばーさんだけ行ってしまった。
ばーさんがいれば、じーさんの腰痛の回復ももっと早かったはずだ。
だったら、世話役を引き受けていたのは…。
(253) 2024/08/22(Thu) 23:02:47