荼毘葬送 オクリビ

裏通り：工場近く、オーネストと

[手負いなれど腰の銃に手を当てる様>>253に、そうできる程度の体力と気力はあるのだろうとオクリビは判断する。
　この戦時として至極まっとうな反応で、けれどそれでも、問い返す言葉は穏やかな口調で。
　だから女も、カタナに手を添えたままの姿勢で、特に何も考えずに名乗ろうとした、その時。

　最初とは明らかに異なる響きで、返される問い>>254。
　カタナの柄に沿えていた手は、反射的にその柄を握りしめる。
　だが臨戦態勢を取った相手からは、更なる動きは見えず。
　女は姿勢を変えないまま――努めて目を伏せずに、睨みつける男の目に視線を合わせた。]


　私は、


[「荼毘葬送オクリビちゃん」です――と名乗れるだけの余裕も、度胸も、この時にはなく]