ではね、オクリビ
[手を振り返し、その背を見送る。>>223
今日はとても良い日だ。色々あったが、一番の収穫は『フアナ』では無い『オクリビ』と出会えた事であったかもしれない。
そういえば、彼女から名前で呼ばれたのは何時ぶりであったか。
普段より「おじさま」呼びが定着している故、珍しい言葉に小さく笑みが漏れる。
年齢なんて、今更数える方が馬鹿馬鹿しい。正式な数字は覚えているものの、外部向けは年齢不詳。それでも「おじさま」呼びが似合う事だけは確かであろう。>>224
おじいさまなどと言うのはね、我らが上司公爵相手に使う物だよ。
私にはまだ少し早い称号かな。
上機嫌のまま通りを行く。
歩き出した表通りは一見普段と変わらぬ色をしていたが、普段よりざわめきが大きく感じた。*]