― 中央表通り:スイートショップ→パティスリー ―
[白い家の百合へ行く前、中央通りにある行きつけの菓子屋の扉をくぐる。
其処にはケーキ類などのスイーツは無く、並んでいるのは子供向けのキャンディーやキャラメル、チョコレートばかり。
常備品であるそれ等を複数購入し、小ぶりな紙袋片手に店を出ると、次は近くにある洋菓子店へ。
其処ではマドレーヌやクッキー、フロランタン、ガレット類の焼き菓子を購入。やはり紙袋に詰めてもらい、大ぶりな袋を抱いて店を出る。
丁度出来立てとカウンターに並んでいたパウンドケーキ片手、店外のベンチに座りこみ、大きくカットしたフルーツ交じりのそれを頬張る。
先ほどチョコミントアイスを食べたばかりであったが、甘い物と言うのは別腹であろう。
買い貯めたこれらの甘味は、別にスラムの子らに配る用の物では無い。
当たり前のように、ぜんぶじぶんでたべる。
酒はやるが煙草はやらない。
その代わり信じられない量の菓子を食べる。それがこの男の常であった。**]