――カフェ(最終日の日中)――
[昨日私は『宙色の鍵』を読了、その感想をツァリーヌと話し合ったりした。
そして今朝はアーネストに珈琲豆を贈り、書き上げた手記をカプセルに入れて宇宙に放って貰った。
これはそんな後の一幕。食堂にてカラントに焼肉サンドを振る舞い、スケッチを頂いた後、私はカフェにやってきた。
食堂ではカラントの為にエスプレッソを淹れたので(※エスプレッソはマシンで淹れる。圧力が必要だからだ。私はアンドロイドだが、珈琲マシンではないので圧力をかけてお湯をろ過することは出来ない。)、今度はいつものように普通の珈琲を点てたくなったのである。
よって、かの小説家がハムサンドとオレンジジュースを先に注文していた時、カフェにはまだ珈琲の香りは漂っていなかった。]>>231
[私はいつものようにカウンター内にずけずけと入る。慣れた手つきで珈琲を点てると、カフェ内にこう声を掛けた。]