─裏通り・暮れぬ朝の昇る頃─
[不変を嫌い、常にその瞬間のみが自身を指し示す男。アリシアにそのような認識があれば、彼との接触はもう少しだけ慎重だっただろうか。
暮れぬ朝の王。その所属を示すタグを付けた人間と遭遇すれば、すぐ目の前に降り立ち挨拶から。]
おはようございます。
私はアリシア。――夜の女王の寵児といえば、あなたに伝わるかな?そんなに偉い人じゃない?
[警戒されるだろうか。困惑されるだろうか。とんと関りのなかった組織の組員がどのような反応を見せるのか、未知数ではあったし興味もあったが、その反応は確かめる必要はない。
私の生前から夜の女王に関わりがあれば、事件の概要くらいは知っているはずだ。
もしもっと深い人であれば、その名前を聞いただけで私を思い出してくれるだろうが、そこまでは高望みだろう、と判断する。
もちろん、近年で急激に成長した組織でもあり、知らない者がほとんどだろうけど。
知らない上、もし問答無用で攻撃されていたなら、その人物の向こうの壁に赤いシミができることは了承いただきたい。そして次の伝言役を探すことだろう。]