―ちいさい女王さまと―
[「怪我じゃなくてよかった」と、気遣う少女に笑いかける。
優しいコなのだと感じた。
身なりからして、おそらくスラムの子。身内ではない他者を慮れる子。
この街には似つかわしくない柔らかさを持つ少女は、みんなで国をつくると言って笑う。]
女王ズィーさま。ふふ。
[石ころの意味はよくわからないけど、このちいさな女王さまの造る国は見てみたい。少しだけ、そう思った。]
好きな呼びかたでいいよ。
みんな、そうだから。
[彼女が手を取ろうとしていたなら、その手をとって(汚れた手袋はちゃんと外しているとも)]