[それでもここで白薔薇が「白の翼のシマエナガ」を名乗ったのは……白薔薇はそういうものになりたかった、ということでしょう。 己の翼で、誰かのもとに身を寄せられるものに。 たとえ冷たくとも、苛烈な気候の中では融けてしまうものであっても、柔らかに痛みや苦しみに寄り添える「雪の妖精」に。 冬の北海道で、この名で呼ばれる小鳥に出会うことの叶う人間も、いるかもしれませんね。]