[下船のために女物の衣類を見繕っていた際、その少女――“レディ・フィア”
>>254から声を掛けられた。
先程甲板でちらと見かけた際
>>230には結われていなかった髪
>>2:206に、今は真新しいリボンが結ばれている
>>253。けれども衣類は囚人服のまま。
ここで仮に彼女の口元に拘束具がついていたなら、例の「ようじょの顔した猛獣」
>>0:331をハリコは想起していただろうが、それもなければ本当にただの“アレッキーノの娘”
>>117という認識だった。
……って、亡くなった筈の娘さん?? そんな今更な疑問は、フィアの自己紹介の中にちゃんと「義父」の語意を読み取ったお陰ですぐに解消された。良かったね!]
はじめまして、フィア。
あたしのこと、知っててくれていたのね。
ええ。あたしはハリコ・モーガンズ。
挨拶が遅れちゃったけれど、よろしくね、フィア。
[「義父」になったと思しきアレッキーノのことはひとまず置いて、ハリコは少しだけ身を屈めてフィアと目線を合わせる。
包帯越しの顔の傷についてフィアが気にする様子がなかったことで、ハリコも特に何を気にすることもなく、少しだけ顔を相手に近づけられたのだ。]