回想:ラヴ
まあな。話が出たっていうか俺が決めただけなんだが。
…そうだな、すぐに戻る理由もないし、戻ったらどうせ仕事だ。構わないならちょっと休んでいく。
[と言って、近くの椅子に腰を下ろした。戸棚から取り出される石。俺にはわからない魔法薬を煮詰める大鍋。頬杖をついたまま見つめる。]
大人の階段ねえ。…ピンとこないな。こないだまで見習いだったせいかな。
確かに…学校でいた頃の連中も、結構くっついちまった奴もいるしな。あるいは村を出ていったか。
[ラヴがしんみりしているせいか、俺も何となくあまりぶっきらぼうな返事をする気にもならず、なんとなく作業を眺めていた。眺めながら、少し昔の話を続ける。]
そりゃそうだが…ひどい顔だったのも事実だしな。
まあ、正直助かってるよ。俺も、親父…親方達も。
そっか。ラヴはまだ予定ないのか。ま、…そうかもな。
[ここで、そんな事ないだろ、とでも返すところなのだろうが、あいにく俺はそこまで気が利かなかったから、そうなんだろうな、と普段の様子を思い起こしていた。ふと出た質問に、顔を上げてラヴの方を見つめ、考えあぐねる]